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セル容積測定
   キャパッチ
 

2−3 セル容積管理とロール洗浄の重要性

弊社では、セラミックロールの品質管理でセル容積の管理が最も重要と考え、独自に測定法を検討し、Steinhart社(オランダ)製 キャパッチ(CAPATCH)を採用した。
この測定システムは、機械上にアニロックスロールが装着された状態で、非常に短時間に、更に容易に測定できる画期的システムです。

原理は、一定量の液体がカプセルの中に入っており、ステッカー状のCAPATCHをアニロックスロール表面に密着させ、付属のプラスチックブレードにて測定液の入ったカプセルを突き破り、アニロックスロールのセル内に押しやる。徐々にセル内部に測定液を満たしつつ、測定液が無くなるまで完全に押し込みます。
測定器液体量は不変であるので、ロールのセル容積と液体の測定長は反比例することにより測定できる。
 測定範囲は、2〜7、5〜25、15〜70cm3/m2の3種類を容量別に使い分けます。
インクの目づまり、ロールの研磨状態も確実にチェックでき、ロールの管理には最適である。


2−4 セラミック彫刻仕様標準化への提言

 セラミックロールの彫刻仕様を決定する場合に、まず重要なのは現在使用中ロールのセル容積確認である。次に印刷希望のデザイン・サンプルの検討だが、ほとんどのデザインは、網点印刷と細線・ベタ印刷などが混合しているのが現実である。印刷ユニット数に余裕があれば、ベタ刷と網点印刷は別々に印刷するのが最良だが、すべては不可能である。印刷物の生命・判断はやはり印刷濃度も重要だし、セラミックロールの線数と出来るだけ細かく、セル容積と少し多めのロールをお勧めしたい。

 従来クロームメッキロールとセラミックロールのセル容積対比一覧表を参考として提示するので、セル容積を重点に検討され、最適仕様のロールの選択を希望したい。

アニロックスロールセル容積対比一覧表
クロムアニロックスロール セラミックアニロックスロール
彫刻線数
・深度
格子型
実測
セル容積

(cm3/m2
彫刻線数
・深度
ハニカムパターン
実測
セル容積

(cm3/m2
165線−60μ
180線−45μ
200線−38μ
250線−30μ
300線−20μ
360線−20μ
18〜19
14〜15
11〜12
7〜8
4〜5
4〜5
200線−50μ
250線−40μ
300線−30μ
400線−20μ
500線−15μ
600線−10μ
18〜19
15〜16
11〜12
7〜8
5〜6
4〜5


 いずれにしても上記数値は弊社提案の一例だが、従来クロームメッキロールの場合と同様に、希望印刷物に最適なセラミックロールを、使い分ける事が高品質印刷の維持には絶対必要である。つまり、プロセス印刷用、ハーフトーン用、ベタ刷用などの最低3種類のロールを準備して、印刷物に合わせて使い分ける事が重要である。

それと機械メーカー、製版メーカー、インキメーカーなどで使用されている、校正機のセラミックロール仕様の確認と共通化が、品質安定・再現性・標準化には絶対必要な条件かと思う。

 弊社としては、セラミックロールの標準セル仕様として下記ロールの装備をお勧めしたい。

 プロセス印刷用として、
600線−10μ X=4〜5 cm3/m2 (プロセス印刷用)
500線−15μ X=5〜6 (プロセス印刷用)
400線−20μ X=7〜8 (ハーフトーン用)
300線−30μ X=11〜12 (ベタ刷用)
2−5 セラミックロール使用上の注意事項
  1. セラミックロールもクロームメッキロール同様、インキなどの目づまり現象は発生するから、使用後の洗浄は確実に行う事。洗浄時にはステンレスブラシでの洗浄をお勧めする。
    また、セラミックロールの管理を含めて、半年から1年に1回は超音波洗浄などでの完全なインキ除去を行い、セル容積などの確認・管理を行えば、安心して長期使用できる。

  2. セラミック層自体はサビ発生しないが、セラミック層は多孔質だから水などが浸透し地下の鉄ロールからサビ発生する場合がある。
    未使用時には、乾燥状態での保管を心掛けて欲しい。

  3. クロームロールよりは、打傷・スリ傷には強いが、ロールに傷が付いたら最後である。ロール保管時・交換時の取扱いでは、ロールの保護を行い充分に注意を払う事。

 現在までの使用実績を見ていると、セラミックロールは2〜3年では絶対磨耗しない。もし印刷濃度が変化したら、ロールの目づまりと考えて良い。セラミックロールを採用すればインキの調色作業も簡素化し、印刷品質の安定・高能率化・省力化に確実に貢献する。

 今回は、アニロックスロールメーカーの立場から種々の独自の提案を含めて述べたが、フレキソ印刷業界の皆様の何かしらの参考になり、印刷品質の向上に寄与できれば幸いである。


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