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2−1 高品質フレキソ印刷へのセラミックロールの役割
 
 ここ数年セラミックロールの出現もあり、フレキソ印刷の品質向上・安定は確実に数段進歩した。しかし印刷業界が、テレビ同様高画質化・ハイビジョン化が要求され始め、各業界で研究が進んでいる。

特にグラビア印刷では、通常のオフセット印刷の約16倍の精度を実現する最新印刷方式が実用化され、網点密度がインチ当たり300〜700線もの製版が可能との事である。日本でのフレキソ印刷の現状は、フィルム印刷でも85〜100線位でのプロセス印刷力が普通だが、最近各社で120〜150線での高品質プロセス印刷への挑戦が始まった。フレキソ印刷で、より高品質な印刷を行うには、印刷機、製版技術、インキ、オペレータ技術など種々改良する余地はあると思うが、今回はセラミックロールメーカーの立場から提言して見たいと思う。

 昨今の日本印刷業界の現状を考慮すると、環境問題、残留溶剤、省資源化などの問題で、フレキソ印刷が再度見直されつつある。この時期にグラビア印刷に対応出来る印刷物が、フレキソ印刷である程度可能ならば、将来的に比較的幅広く採用が可能ではないかと思う。プロセス印刷での細線化、つまり120線以上の刷版線数での高品質印刷がポイントになると思われる。従来のクロームアニロックスロールでは、彫刻線数とセル深度・容積は完全に決まっており、刷版の細線化に伴って彫刻線数も細かくする必要があり、当然だがセル容積は減少する。それため、印刷物の濃度不定となり、やむなくアニロックスロールと刷版線数を粗くして濃度を合わせて印刷しているのが現状であった。

そこでセラミックロールの効果・役割が出て来る。従来はセラミックロールの超対磨耗性だけが脚光を浴びていたが、細線化にはセラミックロールの特長を利用すべきである。その特長とは、レーザー彫刻の出力のコントロールで細かい線数でセル容積の大きいアニロックスの加工が可能という事である。
 
例えば、従来のクロームロールの360線−20μ相当品を、セラミックならば、500線−15μ彫刻口一ルで充分に濃度確保ができる。また、セラミックロールは、ドクターブレード使用でも、3〜5年以上(3,000〜5,000万m)全然摩耗も無く使用できるのである。当然だが細線化すれば、インキのカラミも減少するし、プロセス印刷、細線の印刷品質・濃度安定につながる。


2−2 セラミックの線数・セル容積選択の基準

 彫刻線数を選択する上で重要な要素は、刷版の点の大きさが.線数よりも網点パーセントにより極端に変化するという事である。参考に刷版線数100線の場合の網点の大きさ変化を説明する。(写真2参照)

50% :約200μ 30% :約150μ 10% :約100μ 5% :約60μ
写真2 刷版線数100線の網点パターン変化

上記写真のように、網点パーセント50%の場合は、点の大きさは200μである。ところが30%で150μ、10%で100μ、5%では60μと極端に小さくなってしまう。したがって100線の刷版といっても、5%位のハイライト部では、400線相当の細かさになっている訳である。60μなりの刷版頂部がセルに入ると、ドットゲイン・カラミなどの原因となる。400線のセラミックセルピッチは60μであるから、刷版が100線の場合でも、印刷サンプルによっては線数不適当といえる。安定を考えれば、500線以上のセラミックロールをお勧めしたい。従来のクロームロールの場合にはインキ濃度を考慮して、刷版線数の3倍のアニロックス線数をお勧めして来たが、セラミックロールの場合には、最低5倍位の線数と適切なセル容積管理されたロールの使用をお勧めしたい。

ピラミット型165線−40μ
(メッキ厚16μ)
格子型165線−55μ
(メッキ厚16μ)
レザー彫刻セル断面
(165線−60μロール)
写真3 セル断面写真


 セル容積管理に関しては、従来クロームロールも写真3の断面写真のように、セル断面は穏やかな丸みを帯びたショルダーから成っている。同様にセラミックロールでも、レーザー彫刻の条件により大幅にセル容積は増減するし、研磨状態でもセル容積は簡単に20〜30%違って来る。だからセル容積管理が最重要項目な訳である。当初のセラミックロールはすべて輸入品だった関係か、従来のクロームアニロックスロールの線数に合わせて彫刻を行い、セル頂部を多めに研磨して、無理やりセル容積を合わせている傾向があった。弊社としては、研磨を多くすれば折角のセラミックの良さが半減する訳で、研磨は出来るだけ最小限に押さえる事が大切であり、セル頂部の面積を少なくする事で、セル容積の増加、しいては彫刻線数の細線化・モワレ現象の解消に効果的と考える。
また、必要以上に浅く彫刻すると、確かにインキ転写率はUPするが、印刷中のアニロックスロール表面でのインキ乾き現象、再溶解不良の原因ともなり、インキ目づまりなど悪影響を及ばずと思われる。



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